テレビドラマがつまらないと言われてしまう理由を矢口氏が解説

矢口敏和氏が見る昨今のテレビドラマ

地上波では毎日のようにテレビドラマが放送されています。
普段から楽しみに観ている視聴者も多いと思われますが、一方であまりドラマは観なくなったという人も多いのではないでしょうか。
それは昨今の視聴率の低下からも窺い知ることができるところです。

今では10%台の半ばから20%にまでいけばヒット作と言われていますが、昔は30%や40%まで行くようなドラマも多くありました。
もちろん現在では、リアルタイムに視聴をせずに録画で楽しんだり、あるいは動画配信やレンタルでまとめて観たりする方法もありますので、単純に比較をすることもできません。

しかしながら実際のところ、テレビドラマを観る人は減っていると言われています。
なぜ昔と違って楽しむ人が少なくなってしまったのでしょう。

人気が落ちた理由は色々と考えることができますが、ひとつに視聴者から飽きられてしまっていることが挙げられると専門家の矢口 敏和は言及しています。

マンネリ化しつつあるテレビドラマ

放送されている作品のジャンルと言えば、恋愛モノや医療ドラマ、刑事モノなどが主ですが、こういったジャンルの作品は過去にも沢山放送されてきました。

ストーリーが違っているとは言え、基本的な枠組みはあまり変わっていません。
恋愛モノにしても、最終的にはハッピーな結末に落ち着くというものが殆どで、オチを大体予想することができます。

内容としては時代を反映したものになっていますので、タイムリーな恋愛を描いた作品ではあるものの、言ってみれば違いはそのくらいであり、結局は同じラストに行き着いてしまいます。

それゆえ、新しい恋愛モノが始まった時にも、またかと感じる人も多いのではないでしょうか。
パターンがないことで作品に対しての期待を持ちにくく、あまり積極的に楽しみたいという気持ちにもなりにくいものです。

人気アイドルを起用するキャスティングについて

キャストの選択も人気が下火になっている理由のひとつでしょう。
特に敬遠されてしまうのは、人気アイドルを起用するキャスティングですが、単に話題の人というだけで選ばれていることが多いです。

作品を作る側としては見てもらってこそでもありますので、人気の有名人を起用したくなるのも無理はありませんが、しかしながら視聴者からすると、その安易な視聴率の目指し方が気になってしまうところです。

人気者を出しておけば見てくれるはず、という思惑を感じ取ってしまうものですから、そこでテレビドラマに対する一種のアレルギーのようなものが生まれてしまいます。

ただ別段、人気の芸能人をキャスティングするのは一概に悪いとは言えず、演技で魅せてくれるのならば視聴者から受け入れられることもあるでしょう。
実際に放送前はキャスティングに対しての批判が生まれている場合でも、作品にピッタリとマッチしたり演技が上手かったりすることで、いざ終わってみれば評価が良くなるというケースもあります。

とは言えキャスティングの段階で拒絶されてしまうことが少なくないのも事実であって、食わず嫌いのような姿勢を持たれることで積極的に見てくれない視聴者も多いです。

海外ドラマの進出も関係している

テレビドラマがつまらないと言われてしまう理由には、海外ドラマの進出も関係していると言えます。
昨今ではアメリカドラマや韓国ドラマなども沢山観ることができますので、こちらをメインに楽しむ人も多いはずです。

海外ドラマはスリリングな展開や、あっと驚くストーリーで沸かせてくれる物が多いですから、視聴者の心もしっかりと鷲掴みします。
一方の日本のテレビドラマの場合はワンパターンな演出になっていることが多く刺激的な内容に感じにくいものです。

刺激に溢れた海外ドラマと比較すると、相対的につまらない内容に感じてしまう人もいるのではないでしょうか。
それまでは海外ドラマにはあまり馴染みがなかったことで、日本のドラマを中心に観られていた中、もっと楽しく観ることができる海外ドラマの存在を知ったことによって、実は日本のドラマはそんなに面白いものではないと気付く視聴者も増えているのです。

せっかく観るのなら楽しいと思える作品に時間を使った方が良いですし、海外ドラマの方が視聴率を奪っていくのも無理はありません。

制作費の問題

とは言え、日本のテレビドラマが海外に負けてしまうのは、仕方のない面もあると言えます。
特に大きく関係してくるのが制作費の問題でしょう。

海外の場合は莫大な資金を投じて作品を作ることができますので、キャスティングをはじめ、設備や迫力などにもダイナミックさがあります。
ところが日本の場合は制作費が限られていることが多いため、どうしてもコンパクトな内容になってしまいがちです。

できることも限られてしまいますから、必然的にパターンが同じになってしまったり、チープな演出しかできず中途半端な盛り上がりになったりします。
きっと日本も、もっと潤沢に制作に充てる資金があればマシな作品を作れる可能性を秘めていると言えますが、しかし現実には厳しい状況もあるようで、なかなかこれといったヒット作が生まれにくい現状があります。